前回の記事では直線縫いミシンを中心にお伝えしました。
今日は、特に服作りには必要不可欠といっても過言ではない、ロックミシンについてお伝えしていきます。
ロックミシンとは、ちょっと特殊な形をしているので見ればすぐに分かります。
普通のミシンと異なり、こんな形のミシンのことです。

出典:http://www.babylock.co.jp/
ロックミシンは“ふちかがり縫い”に特化したミシンです。
(かがり縫いのことを、オーバーロックと言います)
布の端を切りそろえながら、ループ状の縫い目でふちをかがっていきます。
今着ている服が既製品の場合には、布地の縫い合わせを裏返してみてください。
こんな縫い目になっていたら、ロックミシンで縫われているはずです。

インターロック 出典:http://www.babylock.co.jp/
一般的にロックミシンは1本針2本糸、1本針3本糸、2本針4本糸とあり、糸の数が増えるほど、出来る縫い方が増えていきます。
1本針の場合は、布帛のふちかがりに使われます。
家庭用ジグザグミシンでもほつれ止めはできますが、販売用などで見えない部分も綺麗に仕上げていきたい場合にはロックミシンを利用します。
4本糸ロックミシン(2本針オーバーロック)
ほつれ留めや縁かがりに加えて、ニット素材の縫い合わせに使えるのが2本針4本糸ロックミシンです。
4本糸でかがることでループ状の縫い目となり、同じループ状で縫われたニット地同士と縫い合わせることができます。
(縁かがりをしながら、縫い合わせ=地縫いをすることをインターロックといいます)
作動送り機能がついているため伸ばし縫い・縮み縫いができるので、ニットの伸縮性を維持したまま縫い合わせることができることが特徴です。
(直線縫いミシンでニットを縫い合わせる場合は、縫い目に伸縮性がないので伸ばした時に切れてしまうことがあります。)
3本糸でも縫い合わせることはできますが、強度は確かめた上で補強をした方が良い場合もあります。(薄地で伸縮性の高い下着などではあえて3本糸で縫製する場合もあります)
また巻きロックという、オーガンジー等の薄い生地の裾を一折りしながら細かい縫い目でかがっていくこともできます。
以下の画像のような縫い目を、スカートや衣装などの裾処理などで見たことがある方も多いかもしれません。

巻きロック 出典:http://www.babylock.co.jp/
布帛生地はロックミシンでは縫い合わせることはできません。ループ状でゆるんでいってしまいますから、布帛の縫い合わせは本縫い(直線縫い)ミシンで行います。
ちなみに2本針でも1本外せば、1本針ロックミシンとして利用できるので汎用性も大きいです。
工業用ロックミシン
ロックミシンの工業用で、家庭用に比べてパワーが強くて連続使用に耐え、
速いスピードで縫い上げていくことができます。
反面、機材が重い、音が大きい、専用メンテナンスが必要、
より専門性が高くて用途が限定的になるなど、個人の所有は難しいこともあります。